養育費が回収し易くなった話(日暮里駅台東区/滝口総合司法書士事務所/荒川区の相続・遺言ブログ)
「離婚した元夫が養育費を払ってくれない。」シングルマザーの方に多いお悩みの一つです。調停調書等で養育費の支払いを約束していれば、元夫の給与等を差押えて強制的に回収することはできるのですが、相手方の勤務先や財産がわからなければ、差押えをすることもできません。
それが、2019年の民事執行法改正によって、相手方の財産の調査がやりやすくなりました。財産開示手続と第三者からの情報取得手続という制度の活用です。
財産開示手続とは、財産開示期日に裁判所に出頭し,債務者の財産状況を陳述する手続となります。財産開示手続はもともとあった制度なのですが、非協力的な債務者に対する罰則が緩かった為にその実効性が問題となっていました。ところが2019年の法改正によって、罰則が刑事罰となり、懲役の可能性もあることから、各段に有用な手続きとなったわけです。
第三者からの情報取得手続とは、裁判所に申し立てて、債務者の財産に関する情報を、法務局や日本年金機構債務者等の第三者から提供してもらう手続です。勤務先等の情報を取得することができるのですが、ある一定の条件が必要ですので、詳細は専門家にご相談ください。この手続きが新設されたことによって、債務者の非協力的な態度を原因とする,強制執行の不奏功が大幅に減少することが期待されます。