自己破産と生活費(日暮里駅台東区/滝口総合司法書士事務所/荒川区の相続・遺言ブログ)

 自己破産を申し立てる場合に、偏頗弁済が禁止されます。偏頗弁済とは、支払不能」時か「破産手続開始の申立て」の後、特定の債権者に弁済したり、担保を供与して、債権者平等に反する行為を言います。それでは、自己破産をする場合に、水道代、電気代、ガス代、家賃等の支払いはどうすれば良いのでしょうか?

 日常の光熱費や家賃の支払いは、偏頗弁済には当たりませんが、滞納した光熱費や家賃の支払いは、特定の債権者への弁済にあたるので、理論上は偏頗弁済に当たります。破産法252条1項3号は「特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。」を免責不許可事由としています。つまり偏頗弁済をした場合には、免責不許可事由に該当し、破産免責が認められない可能性があります。
 とは言っても、光熱費や家賃の支払いを滞納したままだと、ライフラインを止められてしまったり、住む場所が無くなってしまったり、死活問題ですので、それを偏頗弁済として免責不許可にするのは、裁判所も本意ではでしょう。従って、ケースバイケースですが、それを偏頗弁済として、免責不許可になる可能性は低いのではないかと思われます。

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